子供会の役員選出システムを解説します。

子供会役員選出方法

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会長

PTAと並んで、保護者が大変な思いをする子供会の役員。夜遅くに会議・打ち合わせに呼ばれたり、土日返上で行事に参加させられたりします。

 

各地域にある子供会は、「全国子供連合会」という全国組織に属する組織で、上に市町村ごとの市子連、都道府県ごとの県子連などの組織があります。ですので、形態としてはPTAに劣らないほどのれっきとした組織ということになります。

ただ市子連や県子連と言ったある程度大きな組織ならともかく、地域ごとあるいは校区ごとの小さな範囲で作られている子供会は、組織としての会則・規則がそんなに明確ではない場合も多いです。年々受け継がれていく慣習に従い、保護者が話し合いながら運営していくわけです。

ご近所や同じ町内、団地に住む子供と保護者が集まるわけですから、多くの場合和気あいあいとした雰囲気になるのですが……年に一度の役員決めを巡っては、保護者がちょっとナイーブになります

PTAのようなきちんとした会則がない場合、時として理不尽な役員決めが行われることもあります。しかも子供会の保護者同士のトラブルは、ごく近くに住むご近所さん同士のトラブルでもあるのです。それだけに人間関係のしこりは出来るだけ残したくないものですが……

 

以下では、そんな子供会の役員選出の方法、システムについて、色々と取り上げてみたいと思います。

 

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子供会の役員は何するの?

まず子供会の役員とはどんな役職があり、どんな仕事をしないといけないのか、確認しておきましょう。

 

・子供会とはどんな組織?

子供会は、地域または校区ごとに組織され、保護者もしくは地域の大人の指導のもと、特定の地域社会に住む子供が健全に育ってもらうことを目的に、異年齢の子供たちが集まる団体です。異年齢というのは、学校だと同じ学年、同じクラスの子供同士で行動するのが基本ですが、子供会では小学1年生(未就学児から参加できる場合もある)から小学6年生(中学3年まで所属する場合もある)までの子供たちが、分け隔てなく共に遊び、活動します。そこは子供会の大きな特徴と言えるでしょう。

 

子供会ではそんな子供たちが集まって、様々な年中行事・季節の行事を行います。4月の歓迎会に始まり、スポーツ大会やバーベキュー大会、夏には海水浴やキャンプに出掛けたりもします。公民館や文化センターなど公共施設でクリスマス会や映画会を行うこともありますね。各行事の具体的な内容については高学年の子供たちが中心になって決めます。ただその行事を行うための場所の確保、当日の見守り・付き添い、そしてお金の管理などは子供会の保護者・役員の仕事になるわけです。

 

・子供会の役員の役職と仕事は?

子供会の役員構成は子供会ごとに多少の違いはありますが、多くの場合、会長、副会長、書記、会計のいわゆる「四役」と庶務、複数の委員(行事ごとに決められることも)などです。基本的に役員に選ばれると、子供会の各種行事に参加するのはもちろん、その準備のため事前に集まって会議・打ち合わせを重ねるのが通常です。

 

会長や副会長クラスは子供会に所属する子供の保護者をまとめる仕事になり、会議の場でも積極的に議事進行する役割が求められます。また上位組織である市子連の会合に参加して、他の子供会の活動報告を聞いたり、あるいは自分たちの活動を報告したりする必要もあります。大変な仕事ですが、人間関係の幅が広がるのは間違いないですね。

 

委員に選ばれると任せられる仕事は行事ごとに様々ですが、「行事の当日に顔を出す」ということが基本的に求められます。この「当日行く」というのは、なかなかきついものがあります。特に平日仕事をしている人は、休日はゆっくりと家で休んだり、買い物に出かけたりしたいところを、丸一日子供会の行事に駆り出され、子供たちと一緒に過ごさないといけなくなるわけです。あとでまた触れますが、もし当日行かなかったりすると、「行事当日、来ない役員がいた」などと噂され、人間関係のトラブルに発展することも良くあります。

 

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一般的な子供会の役員選出の方法・システムとは?

子供会はそれぞれの会の慣習に従って運営されていることも多いです。ですので、ごく一般的に行われている役員選出の方法と、時折見られる少し特別な役員選出方法とに分けて取り上げることにしましょう。

 

まず一般的によく行われている選出方法ですが、大きく分けて立候補による選出、くじ引き・じゃんけんによる選出、前年度の役員が直接お願いして回る、の3タイプが挙げられます。

 

・立候補による選出

ほとんどの場合、この方法では決まりません。諸事控えめにふるまうという日本人の美徳もあるかもしれませんが、やはり役員は基本忙しいですから、PTAの役員同様みなさん嫌がります。

 

ただ、立候補者を募るだけでは全く決まらないかというと、そうでもありません。子供会は異年齢の子供が交流する場ですが、その際「お兄ちゃん、お姉ちゃん」としてリーダーシップを発揮するのは高学年の子供です。そんな子供会の雰囲気と共に、会長や副会長には高学年の子供の保護者が選ばれることも多くなります。そうなると、高学年の子供を持つ保護者の中には、「誰かがやらないといけないから」と自ら会長など役員に手を挙げる方もいらっしゃいます。

 

立候補した場合、周りの保護者も「よく手を挙げてくれた」ということで、比較的協力的になることも多いようです。そんな積極性のある保護者がいる年度は、多くの場合子供会は明るく、楽しい雰囲気になるようですね。

 

・くじ引き、じゃんけんによる選出

誰しも平等に役員に選ばれるチャンスがあるという点では、くじやじゃんけんなど運に任せて決めるというのは、公平な方法と言えます。小地域の子供会は、幼稚園や学校のPTAほど格式ばった会ではないことも多く、ざっくばらんな形で(内心はドキドキものですが)、役員決めくじ引き大会、じゃんけん大会が行われることも多いです。

 

ただくじ引きやじゃんけんによって選ぶ場合、「誰がくじ引き、じゃんけんに参加するか」で揉めることがあります。例えば「前回役員をやったから、今回はくじを引きたくない」とか「家庭の事情があるので、じゃんけんに参加したくない」といった申し出があると、「前回やった人なら経験者として活躍できる」とか「家庭の事情があるのはみな同じ」といった反論が別の保護者から出され、その場が紛糾するわけです。

 

これがPTAや保育園役員だと、会則の中に「役員免除の条件」が厳密に定められていたりするのですが、子供会だと慣習やその場の雰囲気で物事が決まることも多いです。

 

結果として、子供が卒業するまで、じゃんけんやくじに当たらないまま役員を逃れ続け、一度も経験しないまま乗り切るという保護者も出てきます。その一方で、2期連続役員をやった人、子供が小学1~6年生の間に合計3回もやったという人もいたりすると、かなりの不公平感が出ることにもなるわけです。そうなると、「くじやじゃんけんが本当に公平な方法なのか?」という疑問も湧いてきますね

 

・前年度の役員がお願いして回る方法

この方法もよく行われています。前年度の役員が次期役員をやってもらえそうな人に、直接電話や訪問を通して、役員就任をお願いするのです。これで相手が「分かりました」と言ってくれれば、非常に穏便に役員が決まることになります。ある種、理想的な形だとも言えるでしょう。

 

ただこの方法も問題・トラブルの火種を抱えるものではあります。特に前年度役員がどれだけ保護者を回っても、引き継いでくれる人がいない場合です。これはけっこう多いようですね。特に四役クラスになると敬遠されがちで、なかなか決まらないということが起こります。

 

しかもこの場合、前年度役員が頭を下げてお願いしているわけです。それを断るという場合、お願いした方としては感情のしこりが大なり小なり残らざるを得ません。前年度役員の人としても「いつも協力的な人だった」とか「普段から仲良くさせて頂いている」などの理由があってお願いしに行っているわけです。それなのに断られると……心中穏やかでなくなる人がいるのも容易に想像がつきます。一方で頼まれた側としても、「なぜよりによって私に頼むんだ」ということで、感情的になる場合もあるでしょう。

 

前期役員がお願いするという方法は、上手く行けば穏便に役員が決まるシステムですが、悪くすると人間関係のしこりを残すことにもなります。

 

子供会の役員選出の少し特殊な方法

以上の3タイプの役員選出の方法は、よく行われている方法ですが、子供会によっては慣例によって様々な決め方をしていることもあります。その方法を2つ取り上げておきましょう。

 

・子供の数だけ役員をやってもらう、という決め方

たまに見かける方法です。例えば小学3年と小学6年生の子供がこども会に入っている次期があったとします。その場合、「あそこの家は子供二人だから、二人とも小学校を卒業するまでに2回役員をやってもらう」という方法です。

 

そもそも子供会の役員とは、参加している子供たちに各種行事・活動を楽しんでもらうべくサポートをするのが、その主目的です。子供が多ければそれだけ子供会の役員にお世話になる頻度・度合いも増えるわけで、子供の数に応じて役員をやってもらうというのは、ある意味合理的な決め方と言えますね。

 

難点としては、子供が多いほど育児・家事は忙しくなるのに、子供会の役員まで頻繁にやらされるとなると、負担はさらに大きくなります。子供が少ないほうが有利になる、という決め方は、少子高齢化が深刻化している日本の現状にそぐわないものでもあるでしょう。合理的である一方で、弊害もいろいろある選出方法であると言えそうです。

 

・役員決めの日に欠席した人に任せてしまう

役員をどうしてもやりたくない、という場合、中には役員を決める会議の日に欠席するという判断をする人もいるかもしれません。「あの人、子供会の役員決めの日に来なかった」と、ご近所さんから白い目で見られることもあるでしょうが、役員の仕事をやらされて苦しむよりはマシ、と割り切れる人もいるでしょう。

 

しかしこの方法が通用しない場合もあります。「休んだ人に優先的に役員になってもらう」という暗黙の慣習がある場合です。この方法だと、①当日ドタキャンした人に四役のどれかになってもらう、②事前に欠席の連絡をするときには「引き受けても良い役員」を書いた紙もしくはメールを出してもらう、ということが慣習として定められています。後者の場合、そのまま「引き受けてもよい役員」に決められることが多いです。

 

これもある意味合理的ではあります。このシステムを採用することを事前通告することで欠席者を減らし、役員会でのくじ引きやじゃんけんへの参加者を増やすことにつながるからです。

 

ただ当日急用でたまたま会議に出られない(子供が急病になったなど)も起こり得るわけで、そんな正当な理由で休んだ場合にどうするか、という問題もあります。あとできちんと理由を話しても「もう皆さんが集まった会議で決まったことですので……」と言われ、決定が覆らないことも多いようです。

 

【結論】子供会役員の選出方法は地域によって独特

 

子供会の役員選出方法は、システム自体は学校や幼稚園のPTA役員、保育園の保護者会の役員と似ている部分があります。ただ「地域性がより強い」という点で、独特の雰囲気があるのも確かなようです。

 

役員は出来るだけ避けたいところですが、あまり無下に断り続けると保護者同士の人間関係が悪化しかねません。

会長
子供会の保護者とは、子供が大きくなった後も長くご近所づきあいをしないといけない間柄でもありますから、できれば関係を良好にし続けたいところです。ある程度「引き受ける覚悟」をもって、子供会の役員選出の会議に臨むべきかもしれませんね……。

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