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小学生が未来をしっかり考えるのにためになる書籍5選
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①坂東眞理子著『「なりたい!」が見つかる将来の夢さがし!職業ガイド234種』集英社
子供でも楽しく読める職業ガイドブックです。将来どんな仕事に就きたいか、漠然としたイメージがあっても、実際に・現実にどんな作業を日ごろ行っているのか、小学生にはなかなか分からないものです。この本は、見開き2ページほどで1つの職業について解説していくというスタイルで、全234種類の職業を紹介しています。普段の日常業務の流れが、4コマ漫画で描かれているのも、小学生には分かりやすく、面白いと思います。プロサッカー選手や俳優や歌手などの芸能関係の仕事も記載されているので、興味を持ちながら読み進められるでしょう。
また、ただ仕事内容を説明するのではなく、その仕事に就くにはどうすればよいのか、どんな努力を経る必要があるのか、なども端的に書かれています。質より量の内容なので、「世の中にはどんな職業があるのか」をざっと認識するのに役立つという感じの本です。中学生になると職業体験の授業などもあり、この本の内容だけでは物足りなさを感じるでしょう。でもまず職業のタイプを認識することから始める必要のある小学生にとっては、本書はちょうど適した内容だと言えます。
②ドリームワーク調査会著『ミラクルたのしい! ハッピーお仕事ずかん』西東社
中学1年生向けに作家の村上龍氏が書いた『13歳のハローワーク』がありますが、正直、内容は文字だらけで、普段読書の習慣のない小学生にはやはり難易度は高めです。まだ活字慣れしていない小学生の段階だと、楽しく仕事を知れる本の方が良いでしょう。そこでお勧めしたいのがこちらの本です。
本の中に全編に渡って描かれているイラストが可愛く、小学4年生くらいの子でも違和感なく内容に入っていけるでしょう。一見すると漫画チックなのですが、書いている内容はれっきとした職業案内本。イラストのタッチが女の子向けですが、パラパラとめくっているだけでも楽しい本ですから、男女問わず興味を持って読み進められると思います。
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③滝沢昇、佐藤幸子著『オンリーワンを求めて―科学を選んだ先輩からのメッセージ』近代科学社
こちらはやや難易度が高く、同じ小学生でも学力の高い高学年の子にお勧めしたい本です。大学教授など日本を代表する理系の研究者に、どうして科学者の道を歩んだのか、そのきっかけは何だったのかを語ってもらっている内容です。「大学の先生」が出てくるとなると、とんでもないほど難解な話になるのではないか、と思ってしまいますが、中身は「科学に取り組む中で出会う驚きと発見」「物を作る喜び、創造性を発揮することの面白さ」が、研究者自身の体験を元にして綴られています。
いわゆる一般論ではなく、科学社が自分の子供の頃のこと、若い頃のことを振り返って話しているので、いわゆるありきたりな話になっていないのが魅力です。
最近の子はとかく理系離れが進み、それは既に小学生の段階から「算数嫌い」「理科嫌い」という形で現れるようになります。この本をきっかけにして科学の楽しさ、考えることの面白さを学ぶことができれば、算数や理科が大好きになるかもしれません。
④三浦しをん『ふむふむ-おしえて、お仕事!』新潮社
2012年の本屋大賞を受賞した『舟を編む』の作者で知られる三浦しをんさんが、靴職人、動物飼育係、漫画アシスタント、フラワーデザイナーなど、いわゆるサラリーマン・OLとは異なる15種類の仕事に就く16人の女性にインタビューを行っている内容です。自分の好きな仕事に取組み、自分らしく生きることの素晴らしさを学べる内容で、小学高学年なら十分に内容は理解できます。
自分の親がサラリーマンやパートであくせく働いている姿を見て、「仕事は楽しいものじゃないけど、お金を稼ぐために仕方なくするものなんだ」と小学生ながらに思い込んでいるかもしれません。この本は、そんな小学生に「そんなことはないよ」と肩を叩いてくれます。読み進める中で、自分の好きなことを追求してお給料・報酬を貰える……そんな道もあるのだということを、具体的な事例と共に学んでいくことができるでしょう。「有名人になりたい」とか「プロ野球選手になりたい」といった漠然とした夢を持つ段階から、より現実的に「自分がなりたい仕事」を考えるきっかけを子供たちに与えてくれる本です。
⑤国立青少年教育振興機構編『かがやく先輩からのメッセージ』国立青少年教育振興機構
各分野で活躍している著名人30人へのインタビューを掲載しています。スポーツ選手(水泳の北島康介、卓球の福原愛など)、芸能人、作家、囲碁、将棋、宇宙飛行士、科学者、研究者など、分野は多岐に渡ります。子供の時どんな少年・少女だったのか、そしていつ頃からしっかりと夢を持って自分の道を歩み始めたのかが、各人の実体験を元に赤裸々に語られています。写真もふんだんに盛り込まれていますし、小学生(高学年)でも楽しく読み進められるでしょう。
芸能人としては不倫で世を騒がせたベッキーさんや乙武さんも登場していますが、その辺はご愛敬ということで……。でもそれぞれの分野の一流の人物の考え方や夢への向き合い方を語っているので、小学生くらいの子にとっては大きな指針となるでしょうし、一生忘れられないほどの感銘を受けるかもしれません。
是非子供たちに読ませてあげてください。
「10歳までに読んだ本の数で将来の学力が決まる」とはよく言われますが、学力のみならず、どんな人生を歩むべきなのか、どんな生き方をすればよいのか、といったことを学ぶ上でも、読書はとてもためになります。
とはいっても、読書嫌いの子に無理に本を読むよう強制するのもなかなか難しいものです。小学生くらいの年齢だと、よっぽど本が好きでもない限り、外に出て友達と野球やサッカーをしたり、ゲームをして遊んだりする方が楽しいと思うものですからね。
そんな普段あまり本を読まない子供たち向けに、効率的に自分の将来のことを考えるきっかけを与える本、地頭を良くする本もたくさん出版されるようになっています。小説のように長いストーリーを追う必要はなく、ためになる言葉、頭を働かせるクイズなどが掲載されていて、読書嫌いの子でも飽きずに楽しく読めるでしょう。
以下では、小学生が未来をしっかり考えるのにためになる書籍5冊を取り上げてみました。