保護者会とは?保護者会とPTAを比較してみました

保護者会とは

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会長

子供が小中高に新たに入学すると、気になるのが保護者の集まりの仕組み。学校ごとに異なっている場合も多く、新しい環境に適応するのに一苦労する場合も多いです。

 

保護者が関与することになる会としては、大きく分けて「保護者会」と「PTA」の二種類があります。どちらも保護者だけが集まる会ですが、性格や位置づけが異なる会。

 

PTAというと、何となくよく耳にする言葉なので、イメージが湧きやすい部分もあるでしょう。しかしもう一方の保護者会というと、「PTAのことじゃないの?」と思う方もいるかもしれません。

 

特にこれから小学校に入学するお子さんをお持ちの方は、その違いがどこにあるのか分かりにくい部分もあると思います。

 

もっとも、どちらも共通しているのは、無断で休むとひんしゅくを買いかねないということ。できれば参加し、そこでの話し合いや決められることに関わっていくことが望ましいと言えるでしょう・・・

 

以下では、小中高の「保護者会」とはどんなところなのか、「PTA」の特徴と比較したうえでその特徴を浮き彫りにしてみたいと思います。

 

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保護者会とはどんな会なのか―一般的な形―

・クラス単位の保護者が集まる会

保護者会は、学校によっていろいろと呼び名や意味するところが異なる部分があるのも事実。PTAのことを保護者会と総称して呼ぶ学校もあり、その場合は保護者会もPTAも意味が違わないことになります。

 

しかし一般的には、保護者会というと、クラス単位の保護者が集まり、担任の先生から最近の学校生活の様子、クラスでの生活事情などを保護者に向けて報告する場になっていることが多いです。また保護者側からも要望など必要に応じて担任や学校側に意見を言います。

 

特に最近は学級崩壊、いじめ、不登校など様々な問題が深刻化し、その上、ツールとしてスマホやインターネットなども加わっているため、保護者の側も「保護者会」のような場には率先して参加し、実態を把握しようとする傾向があるようですね。

 

さらに学校によっては、保護者が主体となってバーベキュー大会などの親睦会を開くこともあります。この辺は学校ごとの文化にもよりますが、イベントなどを頻繁に主催している場合もあるようですね。

 

・保護者会という組織の特徴

クラス単位の保護者の方の集まりですから、人数としてはけっこうな数にはなります。一クラス40人なら40人以上の保護者、30人なら30人以上の保護者が参加することになります。PTAとは異なり、会費などを徴収されることはありません。ただクラスごとに保護者会の代表、副代表などが取り決められ、もし選ばれた場合、学校側との連絡役、イベント運営の中心的役割を果たすといったことをする必要があります。

 

保護者会は、「保護者側の意見を学校側にぶつける」という意味合いが強いので、構図としては「学校VS保護者」という形になることもしばしば

 

よくあるのが、学校側に何か問題・不祥事が起こり、保護者会として学校側に抗議するということ。先生による犯罪行為や深刻ないじめ問題が発覚した場合は、保護者会は団結して学校側に意見・苦情を申し入れます。

 

保護者会の目的は、「子供を学校側の不祥事、不正から守る」という意味合いも強いと言えますね。この点は後述するPTAとは少し異なる性格であると言えるでしょう。

 

・保護者会は強制参加?

保護者会は、PTAもそうですが、基本的に任意参加。参加しなくとも、別にどうこうということはありません。保護者会自体、担任の先生単位の責任によって保護者向けに子供たちの学校生活について説明するというもので、PTAのような大掛かりな組織体系を持っていないのが通例。

 

ただし、保護者会の代表を決める会などは参加した方が無難な場合もあります。「欠席すれば代表に選ばれない」という魂胆が見え見えになることもあり、他の保護者の方の信頼を失う場合もあります。

 

またこれも学校のPTA組織の体系によりけりですが、PTAのクラス委員を決めないといけないばあい、クラス単位の保護者会で決められることもあります

 

中には年度初めに「保護者会」という題目で新クラスの保護者の方に集まってもらい、その実はクラスのPTA役員を決める会だったということもあるようですね。ただそんな場合も、無断で欠席したら他の保護者から白い目で見られる可能性があるので、できるだけ出席した方がよいかもしれません。役員の決め方はじゃんけんやくじ引きで決められることが多いようですね。

 

PTAとはどんな会なのか

・PTAは、親と学校側、地域社会が協力して、子供の学校生活の向上を目指す会

PTAは、Parent-Teacher Associationの頭文字をとったもの。直訳すれば、「保護者(良心)と学校教員からなる団体」となります。もともと日本にあった組織ではなく、第二次世界大戦で日本が敗戦後、アメリカが日本の民主化政策のかじ取りをしましたが、その際に教育現場に取り入れられたのが「PTA」という組織体系。戦前の日本は、それこそクラスや学年単位で集まる保護者会があるくらいで、PTAのような組織はなかったわけです。

 

どの学校においても、PTAの組織はかなり大掛かりなものです。毎年度ごとにPTA会長、副会長、書記、会計といったいわゆる「四役」が決められ、年度初め、中間、年度末などにPTA総会が開かれます(年に何回開催されるかは学校ごとに異なります)。またPTAの執行部役員として、保健委員、地区委員、広報委員なども決められ、もし選ばれた場合、その年度はPTAの仕事に追われることになります。

 

・PTA加入は義務?

PTAの加入も強制ではなく任意ですが、ほとんどの場合、子供が幼稚園・学校に入学すると、加入申し込みの紙が配布・送付されます。ほぼすべての保護者が加入するので、よほどのことがないかぎり加入するのが無難でしょう。

 

ただ先日、女優業の傍らで大学の客員教授もしている菊池桃子さんが、政府主催の「一億総活躍国民会議」の場で「PTAは任意加入のはず。しかし現実には、強制的に全員が参加させられる雰囲気がある」と発言したことが物議を醸しました。こうした動きが今後大きくなれば、参加しないという選択肢も現実味を帯びますが、現状では基本的には「参加」一択になりますね・・・。

 

・PTAは全国レベルの組織

PTAは基本的には学校単位で組織化され、学校ごとのPTAは時に「単体PTA」と呼ばれることもあります。ですので、具体的な運営方法や組織図は学校ごとにけっこう異なっている部分が多いです。しかし団体としての「PTA」は全国レベルの組織です。どの単体PTAも、基本的に立地する自治体の「市区町村PTA協議会」の一員として位置づけられます。なので、PTA会長など役員に選ばれた場合、市区町村PTA協議会の会合に出席しなければならず、場合によっては自校のPTAで取り組んでいる活動内容を報告する必要も出てきます。

 

市区町村PTA連合会の上には「都道府県単位のPTA連合会」があります。神奈川県なば、神奈川県PTA協議会という形になりますね。そして都道府県単位のPTA協議会の上位には、「公益社団法人日本PTA全国協議会」があります。これが日本のPTAの総本山のようなところで、日本を9のブロックに分けてブロックごとにPTA協議会を開催して各都道府県のPTA協議会を統括し、64の地方のPTA協議会を会員として総会も開かれています。教育界への発言力、影響力は相当なものがあるようですね。

 

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保護者会はPTAとどこが違うのか

・保護者会は、PTAよりも参加への強制度が低め

保護者会は、代表やPTAのクラス役員を決める場合等はできるだけ参加が望まれますが、基本的に参加、不参加についてはそれほどうるさく言われることはありません。何か連絡事項があれば、保護者会の代表や担任から直接連絡が来たりもします。仮にクラス単位の保護者会主催でイベントを開く場合もどちらかといえば緩やかな行事になることが多いですし、そもそも保護者会で何かをするということがない場合も多いですね。

 

一方、PTAの場合、かなり公的な性格が強く、PTA役員を決める会議にもし欠席する場合、事前に誰を役員に推薦するのか連絡するように求められたり、「どのような結果も受け入れます」という委任状の提出を求められたりすることもあります。

 

保護者会では通常の集まりの場合、担任の先生も「忙しい方は無理して参加しなくとも問題ございません」というスタンスでいることも多いようです。親の方も、例えば同じ小学校に兄弟で通っている場合、どちらかのクラスの保護者会だけ顔を出すということもよく行われています。

 

ただし、もし通わせている子供がクラスの中で何か問題を抱えているならば、率先して参加し、クラス担任やほかの保護者と問題を共有し、解決にあたるように努力すべきでしょう。

 

・保護者会はPTAよりも団体・組織としての規模は小さい

保護者会はあくまでクラス単位や学年単位が主体ですが、一方PTAは全校レベル、さらには市区町村、都道府県、全国レベルにまで派生するほどの大きな団体です。PTAでは役職や物事の取り決め方はすべて組織化、制度化されていて、どちらかというと「官僚制組織」に近いともいえるでしょう。

 

一方、保護者会は保護者の自主的な会という性格が強いです。そもそも保護者会は「保護者が集まって、子供の権利を守るために学校側に物申す」という性格を持つ会。「保護者と教職員が協力して学校環境をよりよくする」というPTAとは、やはりタイプが異なります。PTAは学校の教職員(地方公務員)を巻き込んでの活動になるので、やはり肩ひじ張ったものになりがち。

 

ただその分、保護者会の方が問題解決能力に優れていると言えるでしょう。子供が学校生活で何か問題を抱えた場合、クラスごとに開かれる保護者会でそのことを問題提起すれば、問題解決の糸口を見つけやすくなります。一方PTAは、役職、仕事、負担といったキーワードばかりが並び、きめ細やかな問題解決力を有していることは少ないです。

 

・保護者会の方が全般的に負担は小さい

組織・団体としての規模が小さく、どちらかというと学校側に保護者側の要望や言い分を言ったり、あるいは学校側から保護者側に連絡事項を伝えたりすることがメインになるのが保護者会。仮に保護者会の代表になっても、連絡役としての苦労はありますが、PTA会長や副会長に比べると、仕事内容が大幅に増えるということもありません。

 

ただし、保護者会の場合、クラス内の人間関係に気を使わないといけないということはあるでしょう。PTAのような全校レベルの組織の場合、会員間の関係はそれほど近しいものになるとは限りません。しかし保護者会の場合、同クラスの保護者同士での付き合いがあり、「○○さんのママさん」などと呼ばれ、けっこう濃い人間関係が発生します。うまくいっている間は良いですが、もしこじれたりすると、少し大変になりますね。

 

保護者会とPTAはほぼ同義

 

保護者会とはどんな組織なのか、PTAとの比較を通してその概要を見てきました。ただ先にも少し触れましたが、保護者会=PTAという幼稚園、学校も少なからずあります。その辺りの組織形態は、学校ごとに異なるのでそこは注意すべきですね。

 

例えば、「PTAからの脱却」を進めている学校が全国に登場しつつありますが、その場合、それまでのPTAに代わって、「保護者会」がPTAの役割を果たしていることもあります。

 

つまり、「保護者会」が、「親と教職員の団体」になっているというもので、その場合は、保護者会とPTAは同義のものといってよいでしょう。

 

通例は、「保護者が学校側に物申す、あるいは学校側から保護者側に何かを伝えるための会」が「保護者会」、「保護者と学校側、地域社会が協力して、子供の学校生活環境を整えるための会」が「PTA」、というのが基本的な区分。学校によってはこうした一般的な境界があいまいになっているので、そこは一つポイントかもしれませんね。

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