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幼稚園PTA役員の仕事とそのトラブル事例
まず幼稚園の「PTA役員」について見ていきましょう。PTAという組織自体は小中高にもあり、行われている内容や組織形態も共通している部分がありますね。もし幼稚園の段階でPTAのことを学んでおけば、その後子供が小学校、中学校と進級していったときも、その応用が利くでしょう。
ただPTA役員になるとトラブルに見舞われることもあります。実際によくあるトラブルの例も挙げておくので、もしPTA役員になったら、注意しましょう。
①PTA役員の仕事とは?
PTA役員は、幼稚園ごとに形態は多少異なりますが、いくつかの部署に分かれ、専門的な活動に取り組むことが多いです。
例えば「環境部」だと幼稚園の庭や周辺の清掃活動を行ったり、園内行事の際に駐車場の整備をしたりします。広報部だとPTA広報誌や文集度を作る作業に従事します。事業部の場合は、運動会やお遊戯会のときにバザーを開くといった活動を行います。どの部門がどのような呼称なのかは幼稚園ごとに異なります。
そしてこれら各部門を統括する責任者としてPTA会長がいて、それを補佐する副会長が1~2名ほどいるのが通例です。PTA会長ともなると地域社会ではちょっとした有名人になり、幼稚園以外の行事にも地元のイベントなどに呼ばれて挨拶をお願いされることもあります。またクラスごとに「クラス役員」を決める場合もあり、同じクラスの保護者(PTA会員)を集めて親子レクリエーションの会を企画、運営するよう求められることもありますね。
どの担当部所にもいわゆる「先輩ママさん」がいることが多く、作業内容について色々と質問できることが多いです。
例えば広報部でPTA広報誌を作るという場合、編集のことを何も知らない素人が一から広報誌作りをするのは大変です。でも先輩の広報部の部員がいれば、色々と手取り足取り作業を教えてくれるでしょう。上下関係といった堅苦しいことはないと思いますが、部門ごとにお互いを支え合えるというのは、PTAならではの特徴かもしれません。
②PTA役員にありがちなトラブルとは?
PTA役員になった場合、それこそ同じ部署の先輩のPTA役員の方々との付き合い、そして部門間の調整を行わないといけないなど、人と話し合いの場を持つことが増えます。そうなると……察しの良い方ならお分かりかもしれませんが、人間関係のトラブルというものがどうしても起こってきます。
特定の先輩ママさんから「そんな簡単な作業もできないの?」などといびりの言葉を言われるなど、いじめ、仲間外れといった子供がやるようなことが起こっている事例もあります。あるいは逆に、新人のママさんがあまりにも何でもテキパキと張り切り、先輩ママさんを凌ぐような活躍をすると、「何なのあの人、張り切っちゃって」とそれはそれでまた周囲の人からの攻撃対象になることもあるようです。その辺の機微を上手く察して、現場の人間関係を上手く作っていく必要がありますね。
あとPTA役員になると、運動会など行事の時に自分が担当する役割を果たさないといけないので、常に子供と一緒にいられない、ということも起こります。
例えば運動会だと、子供は昼食の時間は応援に来た家族と一緒に過ごすのが通例です。その日のために、お母さんも腕によりをかけてお弁当を作ったりするものです。ところがPTAの環境整備部の役員になって駐車場の管理を仰せつかると、担当役員は駐車場のわきのテントで配布される弁当を食べないといけない場合もあります。そうなると子供たちはちょっとかわいそうですね(お父さんがいれば安心ですが、お母さんがいないのは寂しいでしょう)。
あとPTAの担当部署によっては相当忙しくなる場合もあります。例えば広報部の場合、企画会議、編集会議、原稿の依頼、取材、印刷会社との折衝など、普段から集まる機会が非常に多いです。「すいません今日の打ち合わせに参加できません」と言ってばかりいると、他の役員からひんしゅくを買うということも起こります。
幼稚園役員の仕事内容とそのトラブル事例
続いては「幼稚園役員」についての話です。
幼稚園役員はPTA役員と少し役割が異なりますので、幼稚園役員ならではのトラブルというものも起こってきます。まずその仕事内容などを紹介し、どんなトラブルに見舞われる恐れがあるのか、紹介しましょう。
①幼稚園役員の仕事とは?
幼稚園役員はPTA役員とは少し異なり、幼稚園の先生方と協力して園内で行われる数々の行事のサポートをしていくという係です。運動家やお遊戯会のような大きなイベントはもちろんですが、それ以外にも春や秋に行われる遠足、秋に行われる芋堀大会、夏のプール開きの準備などにも協力していき、クラスの保護者の皆さんを取りまとめる役割を担います。時には「○○さんと○○さん、イベント当日はこれをやって頂けますか?」とクラス内の保護者の方にお願いをする必要も出てきます。いわばクラスの保護者の中の代表格・リーダー的な存在と言えるかもしれません。
幼稚園役員になることのメリットはいろいろとあります。頻繁に幼稚園に顔を出すことになるので、子供の園内での様子を見守ることができます。またクラスの担当の先生と話す機会が増え、自分の子供に関する相談がしやすくもなりますね。幼稚園役員のお子さんがお遊戯会で主役や準主役など注目を集める役回りをしたり、「役員をやってる○○さんのお子さんにやってもらいましょう」ということで、運動会で選手宣誓をしたりすることもあるようです。また行事の際にビデオ撮影・写真撮影の場所を確保してもらえることもあると言います。いわゆる「役員待遇」とでも言うべき特権がある幼稚園もあるみたいですよ。
またママ友を増やす機会になるのも確かです。幼稚園役員が集まる会は、他の学年のママさんと知り合えるチャンスなります。また役員の仕事上、他の保護者の方と頻繁に連絡を取ることになるので、自然と知り合いになり、仲良くもなるでしょう。ママさん同士が友達になれば自然とその子供同士も仲良くなるもの。幼稚園役員になることで、自分の子供の友達作りにも一役買うかもしれませんね。
②幼稚園役員にありがちなトラブルとは?
PTA役員でもそうですが、やはり多いのが人間関係のトラブルです。幼稚園役員はクラス、行事を取りまとめる役割を担うことになるので、普段仲の良いママ友だけでなく、まんべんなく色々な保護者の方と折衝の場を持つ必要が出てきます。また幼稚園役員はクラスの保護者たちと幼稚園側との調整役にならないといけないので、保護者から受けた要望がきちんと通らなかったりすると、「幼稚園役員としての力量に欠ける」としてクレームが出されることもあります。
幼稚園の送り迎えをしたり、行事に参加したりする保護者はたいていが母親の側です。母親の場合、いわゆる仲の良いママ友同士でお茶会をしたり食事会をしたりするわけですが、自然とそれが派閥のようになります。そんな派閥がクラス内に複数あったりすると、幼稚園役員としてクラス内をまとめるのが大変です。ちょっとミスをしたり、不公平な裁断をしようものなら、喫茶店やファミリーレストランで「あの人ホントに腹立つ!」などと影口を言われたりもします。派閥内での話のネタにされるわけですね。「影でひどいことを言われている」ということを知ったとき、大きなストレスを感じるようにもなります。
また幼稚園役員になると日中から幼稚園に行かないといけない日が増え、仕事との両立も難しくなってきます。幼稚園役員を決めるとき、「誰がやるのか」でもめ事が起こりやすいのですが、「仕事があるから」というのはほとんどの場合、役員を受けないで済む理由にはなりません。最近は共働きの家庭が多いので、仕事をしているというのは特殊な事情とは言えなくなっているからです。家庭に未就学児がいる、妊娠中である、母子家庭や父子家庭である、在宅介護をしている、といった特別な事情があれば、免除されることはあります。ただ仕事をしている場合でも容赦なく役員は任されますから、仕事との両立をどうするかということで頭を悩ませることにもなります。場合によっては、それが理由で職場でのトラブルに直面することもあるかもしれません。
幼稚園役員はクラスの保護者の代表格なわけですから、何かと他の保護者から相談を持ち掛けられます。中には幼稚園のことに関係なく、プライベートなことまでお願いしてきたり、頼ろうとする人がいたりします。「そんなことまで面倒見切れない」とはっきり言うと角が立ちますし、かといってそこまで面倒を見ていると、体がいくつあっても足りないという状況にもなるでしょう。そんな状況が増えてくると、またストレスの原因にもなってきます。
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PTA役員と幼稚園役員はどちらが大変?
どちらがより大変なのかは、幼稚園ごとに変わってくる部分はありますね。
PTA役員の場合、「保護者のみなさんの負担を軽くする」という方針で運営している幼稚園なら、PTA役員になっても先生方の補助を少しするだけで済むでしょう。
また幼稚園役員の場合も、クラスの保護者の皆さんが良い方ばかりで、何をするにも協力的な態度で接してくれるなら、大きなトラブルを抱えずに済むでしょう。その辺は入園先の幼稚園次第というところはありますね。
ただ昼間お仕事をしている方だったら、幼稚園役員の方が大変かもしれません。幼稚園役員はかなり頻繁に幼稚園に顔を出さないといけませんし、一クラス何十人もいるようだったら、それをまとめるための心労も重なりやすいです。平日に幼稚園に行くとなると仕事に差しさわりが出てきますし、職場では職場のストレスというものがあるでしょうから、「これ以上人間関係で悩みたくない」という思いに駆られるかもしれません。
主婦をされている方で比較的昼間も時間がある方なら、幼稚園・保護者に対してきめ細かい対応がしやすいので、人間関係をこじらせにくいかもしれないですね。「ママ友がたくさんできる」、「先生方と仲良くなれる」といったメリットがあると、子供が幼稚園に通うようになって昼間寂しくなったという人にとっては、社会とのつながりを実感できる機会にもなります。
しかし普段主婦をされている方は、子供を産んで以来、社会での勤務経験を久しくしていない場合も多いと思います。そうなると、PTA役員の仕事はちょっと大変になってくる可能性もありますね。PTAは各部門に分かれて、その部門の中でテキパキと作業をこなしていく必要があります。普段から仕事をしているような人だと、職場の自分そのままに要領よく何でもこなしていけるでしょう。またPTAの会合の場所は幼稚園である必要はないですし、平日の夜に行うことができますから、仕事をしている人には参加しやすい部分もあると思います。
【結論】PTA役員も幼稚園役員もトラブルは多い。
PTA役員と幼稚園役員はどちらも任されると大変。正直どちらの役員においても、一番トラブルが発生しやすいのは決めるときかもしれません。その場にいる人のほぼ全員がやりたくないという状況の中、担当を決めていく必要がありますからね……。
どちらの担当になるにせよ、いろいろとトラブルに見舞われます。
それでも自分の親がPTA役員や幼稚園役員になっていると、園児である子供としても誇らしいものです。親を誇らしく思えれば、本人の自信にもつながります。
もし役員に選ばれたら覚悟を決めて、与えられた仕事をきっちりこなすように努力することをおススメします。中途半端に役割を果たそうとすると、余計にトラブルに巻き込まれやすくなりますからね。
子供が幼稚園に上がると、「これで子育てもひと段落。日中は子供を幼稚園に預けられるので、自由な時間ができる・・・」と仕事の再開をしたり、自分の趣味に時間を割いたりと、改めて人生計画を考える人は多いでしょう。でも幼稚園に入園すると、幼稚園ならではの忙しい状況があるので、自分の思い通りには必ずしも行かない場合があります。
特に幼稚園のPTA役員と幼稚園役員は、どちらにせよ選ばれたら大変なことが多いです。幼稚園関連の仕事を任され、その作業に日々追われるという事態も発生します。
幼稚園によっては、保護者の負担をできるだけ軽くするべく、役員への仕事量がそれほど多くない場合もあります。しかしそれとは逆に、「保育士はあくまで教育者」と言わんばかりに、園内の行事・イベント事に関わる作業をPTA役員と幼稚園役員に丸投げしているところがあるのも事実。
以下では、幼稚園のPTA役員、幼稚園役員の仕事の内容とそのトラブルの例をまとめています。また「PTA役員と幼稚園役員のどちらが大変か」といったことについても触れているので、順次見ていきましょう。