PTA総会・広報誌や父兄の話題(ネタ)でおすすめしたい書籍10選

PTA総会や父兄の話題(ネタ)でおすすめしたい書籍10選

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会長

この4月から子供が小学校に進学するという親御さんにとっては、PTA役員に選ばれるかどうか、あるいは保護者同士の付き合いをどのようにしていけばよいか、迷ったり悩んだりしている人も多いでしょう。

 

公立にせよ私立にせよ、生徒の保護者はさまざまな職業、立場、地位の人がいます。そうした人たちと上手く付き合っていかないといけないわけで、初めてPTA・保護者会の活動に参加する保護者にとってはなかなか大変なこと

 

特に困るのは、「何を話せばよいか」ということでしょう。職業や生活環境も違う初対面の人と、一体どのようなことを話題に話を盛り上げていけばよいのか……普段から接客の仕事をしている人ならばともかく、そうでない人の場合、その辺はけっこう悩むところです。

 

そこで今回は、PTA総会や父兄同士の話題のネタになりそうな書籍を10冊選び、紹介してみたいと思います。

 

保護者同士で共通の話題と言えば、やはり子育てや子どもの進路・将来に関することでしょう。学校の成績などとは関係なく、「将来どうなるやら……」とか「子育ては大変なものですね……」などのとっかかりから、話を膨らませることができる本を選んでみました。

 

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PTA総会や父兄の話題(ネタ)でおすすめしたい書籍―子供の将来・進路編―

 

①給料BANK著『日本の給料&職業図鑑』、宝島社、2016

この本はその名の通り日本に存在すると言われる700種類以上の職業から、271種を取り出して、その具体的な仕事内容から社会的身分(公務員、民間企業、自営業など)、平均給与を紹介しています。この本の魅力は、子どもが好きなロールプレイングゲームの登場人物のようなイラストが多用され、職業紹介もゲーム内に登場する人物紹介のようになっていること。今の小学生の子どもの親御さんだと30代~40代の方も多いでしょう。その年代なら、ドラゴンクエストやファイナルファンタジーのようなRPGには免疫があるはず。子どもと一緒に保護者も楽しく読める一冊になるでしょう。驚かされるのは紹介されている職業の多彩さ。オーソドックスな職業だけでなく、「長良川の鵜匠」、「ユーチューバー」、「カニ漁」、「国境なき医師団」、「力士」など、ちょっとマニアックな職業まで取り上げられていて、最後まで夢中になって読み進められます。保護者同士で子どもの将来や進路の話題になったとき、この本を読んでおけば話題に尽きることはないのではないでしょうか。けっこう売れている本なので「ああその本、聞いたことあります」、「その本私も読んだことあります」という形で話題が広がるかもしれませんね。

 

 

 

②村上龍著『13歳のハローワーク』、幻冬舎、2003

こちらも有名な本ですが、だからこそ話のネタとしては持ってこいと言えます。学校で学ぶ算数、国語、社会、理科、音楽などにおいて、どの教科が得意なのかを元に、その子に向いた職業を紹介しているのが特徴。また名文として評価が高いのは、この本の「はじめに」の部分の文章。自分に向いた仕事と出会うこと、人に貢献することの大切さが13歳にでも分かるような文調で丁寧に書かれていて、大人がこの部分を読むと、「この本と13歳の時に出会っていれば……」と思ってしまうでしょう。「ハローワーク」とありますが、単純な職業紹介本であることを超え、「働くとはどういうことか」を突き詰めている本だと言えます。子どもの将来について保護者同士で話す場合、こうした本を読んでおくと話題に厚みが出るでしょう。

 

③給料BANK著『日本の給料&職業図鑑 Plus』、宝島社、2016

①で取り上げた『日本の給料&職業図鑑』の続編で、こちらは375種類の職業を解説しています。公務員や医療、飲食業など比較的身近・地味な職業についてしっかりと取り上げつつ、「芸能・芸術」、「IT」など、子どもが憧れるような花形職業についても分かりやすく説明されているのが魅力。特に興味深いのは、サラリーマンを「企業戦士」としてとらえ、ともすると子どもにとっては地味な印象もある営業職や事務職を「戦士」に例えて紹介しています。職業別だけではなく、企業内の部署についても解説しているのは、他の職業本にはない特徴と言えるでしょう。「うちの子はゲームばかりして……」というのは、最近の子を持つ親の共通の悩み。そんな中この本は、「ゲームをしている子でも楽しく読めるこんな本があるんですよ」といった形で、話のネタにできる本だと言えます。

PTA総会や父兄の話題(ネタ)でおすすめしたい書籍―親としてどうあるか編―

 

④佐々木正美著『子どもへのまなざし』福音館書店、1998

そもそも親とはどうあるべきかを論じ、その態度を示すことが教育に繋がることを論じた名著。例えば本書の中で述べられていることの一つとして、「幸せとは何か」を子どもに教える場合、まず親が幸せでなければならない、ということがあります。子どもは親の背中を見て育つとよく言われますが、「幸せ」もまた親から学ぶのだそうです。「子どもの幸せのために頑張ってる」といって親がいつも仕事に追われ、楽しくなさそうな日々を送っていると、子どもは「不幸」を学んでしまいます。……こうした、親として生きること、親とは何かをとことん考え抜いているのが、この本の特徴と言えるでしょう。

 

⑤池田潔『自由と規律 イギリスの学校生活』岩波書店、1963年。

著者は既に亡くなっていますが、戦前にイギリスにある「パブリックスクール」に留学し、その時の経験をもとに書かれているのが本書です。留学したのは1920~23年の頃と言いますから、日本はその頃軍事大国の道を邁進し、「自由」とは何かを考える時代ではなくなりつつありました。そんな中で、著者はパブリックスクールでスポーツマンシップの大切さ、地位ある人が持つべきノブレス・オブレージの美しさ、そして自由の尊さを学ぶのです。親は子どもの人格形成に大きな影響を与えますが、親の側が持つべき教養や思考法のようなものを教われる本といえます。

 

⑥スティーブン・R・コーヴィー著『7つの習慣』キングベアー出版、1996年。

すでに発売から20年以上が経ちましたが、いまだに衰えることなく読まれ続けている本。成功哲学、自己啓発に関する金言に満ちた本で、とくに本の題名にもなっている7つの習慣は、子育てをしている保護者にとっても目からうろこの言葉。PTA総会の場での挨拶、あるいは保護者同士の雑談の中でそうした金言に触れたりすると、聞き手を引き込むことができるでしょう。7つの習慣をざっと紹介すると、「主体的に行動すること」、「終わりを考えることから始める」、「優先順位をつける」、「ウィンウィンを考える」「まず理解することに徹し、その後で理解される」、「相乗効果を作る」、「刃を研いでおく(心身を鍛える)」といったこと。親がこうした行動を普段からとっていれば、子どもの側も賢く、強い人間に成長するでしょう。

 

 

 

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PTA総会や父兄の話題(ネタ)でおすすめしたい書籍―教育編―

 

⑦天外伺朗著『「生きる力」の強い子を育てる 人生を切り拓く「たくましさ」を伸ばすために (人間性教育学シリーズ)』飛鳥新社、2011年。

 

「天外伺朗(てんげしろう)」とは珍しい名前ですが、これはペンネームで、本名は土井利忠氏。ソニーの技術者としてAIBOの開発を行うなど、日本を代表する技術工学者の一人。ソニー系列のいくつもの会社の社長を務める一方で、このペンネームを用いて本。論文を数多く執筆しています。この本は、教育のあるべき姿を社会的な側面だけでなく、脳・心理学といった側面からも解き明かそうとしているのが大きな特徴。特に出生直後の環境によって形成される「バーストラウマ」が深層心理に与える影響に言及していたり、江戸から戦前にかけての日本の教育のあり方を読み解いたりと、幅広くしかも奥の深い教育論が本書の魅力となっています。洋の東西の事例をひも解きながら、質の良い教育とは何かを分析し尽くしているので、「教育」に対する洞察を深めたい人は必見です。話のネタとしてはもちろん、PTAの広報誌に原稿を寄稿する際にも参考にできる本と言えます。

 

⑧中室牧子『「学力」の経済学』ディスカバー・トゥエンティワン、2015年。

「子どもは褒め育てるべきなのか?」、「勉強させるにはどうすれば?」といった、親であれば誰もが直面する子育ての難問に、経済学の視点から答えを導きだそうとしている名著。テレビで頻繁に取り上げられたほか、経済学者からも高く評価されている本です。本書によると、子どもを「褒める」という場合、「何を褒めるか」が重要だと言います。もし「努力したこと」を褒めれば、その子は努力を惜しまない頑張り屋になりますが、「才能を褒める」と、いつか失敗したときに「才能がないからだ」とすぐにあきらめる人間になるのだそうです。膨大な教育に関するデータ、研究結果を参照しているので、主張に客観性があって説得力があります。

 

⑨菅原裕子『子どもの心のコーチング―一人で考え、一人でできる子の育て方』PHP文庫、2007年。

子育てを「コーチング」という概念で捉えた名著。コーチングはスポーツの世界で行われている指導スタイルで、行動する「場」を提供すること、そして能力開発をサポートすることがその基本的なあり方です。ここでのポイントは、子どもに対して何をどうすればよいのかを教えるのではなく、何をどうするのかを考える力を養わせるということ。コーチングはあくまで本人の意思のサポートをするものです。例えば野球のコーチは、野球が上手くなる方法、どうすればスキルが上がるかは指導しますが、「野球をやりなさい」といったことは指導しません。子どもに自分で考えてもらい、自分でやり遂げようとする意思をまず持ってもらうことの重要性を教われる本です。こちらも子育てを話題にしたときの話のネタとして、非常に有用な内容となっています。

 

⑩岡本茂樹『反省させると犯罪者になります』新潮新書、2013年。

衝撃的なタイトルですが、内容は極めて論理的、科学的です。子どもに過度に叱りつけ、反省を促してばかりいると、「否定的な感情」が心の中に植え付けられてしまい、そのことが自分自身を軽視することにつながり、さらには他人軽視につながっていく……。著者はこうした人間が心理状況をアメリカの受刑者を対象にした科学的分析を通して明らかにしています。子どもは普段からいたずらをしたり、勝手気ままな行動をとろうしたりするものです。そんなとき親として子供にどのように接すればよいのか、その回答を、本書を通して得ることができるでしょう。「しつけ」に関する話のネタを探す場合、本書はお勧めです。

 

 

配布プリントや広報誌のネタとして書籍を使う

いかがでしたでしょうか。こうした本をいくつか呼んでおけば、PTAの役員として挨拶の必要に迫られたとき、配布プリントや広報誌にちょっとした文章を書くときに、ネタとして非常に使えます。またどれも読みごたえのある本ばかりなので、親として読んでおくと、子育ての本質がわかるはず。

 

どれも発売から一定期間が経過したものばかりですので、最寄りの公立図書館で借りることもできるでしょう。話のネタを得ることに加えて、そして親としてのあるべき姿を学ぶためにも、ぜひ一読をお勧めします

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